竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
クーは、きっと、エリナが番という言葉を好んでいないから――最初に、恐れたあの時のことを覚えているから、こんなに迷っているのだろう。
でも、エリナはもう大丈夫だった。
だって、クーは怖くないと、知っているから。
「守られてあげる、って、言ったわ」
「エリー?」
「ね、クー。つけてくれる?」
エリナはそう言って、クーに背中を向けてペンダントを差し出した。
金の、クーの髪とよく似た鎖がしゃらりと涼やかな音を立てる。
クーが息を呑んだ。
はい、と小さく聞こえて、エリナの首に冷たい感触が触れる。
やがて、そう時間のたたないうちに、かちゃり、という小さな音がして、エリナの胸に七色に輝く宝石が垂れ下がった。
それは、日の光を受けてまばゆく輝く。
綺麗ね、とエリナはささやくように口にした。
「クー、似合うかしら?」