竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
エリスティナの住むさびれた離宮の畑に落っこちていた卵は、エリスティナが端正込めて育てたキャベツの三つほどをだめにして転がっていた。
見て見ぬふりはできなかった。
なぜなら、竜種の卵はまだ生きていたからだ。
丈夫な殻に守られて、小さく鼓動を打っている。
しかし、どうしてここに卵があるのだろうか。
そう思って、けれどエリスティナは卵に入ったわずかな染みに気が付いた。
そして、ああ、と思う。
最強種と呼ばれる竜種だが、ごくまれに何の力も持たない劣等個体という子供が産まれることがある。
魔力も、腕力もなく、人型をとれない個体も多い。
竜種は非常にプライドが高く、自分の子が劣等個体ということを認めないのだ。
ではどうするか、といえば、劣等個体であるとわかった途端にどこかに捨てて、いなかったことにしてしまうのだ。
貧乏ではあったが愛情深い母に育てられた記憶のあるエリスティナには、自分の子を捨てるという感覚が信じられない。
けれど、この卵についた染みは、この子供が普通の卵と違うということを示していて――おそらく、劣等個体だということで捨てられてしまったのだろう、ということがわかった。
見て見ぬふりはできなかった。
なぜなら、竜種の卵はまだ生きていたからだ。
丈夫な殻に守られて、小さく鼓動を打っている。
しかし、どうしてここに卵があるのだろうか。
そう思って、けれどエリスティナは卵に入ったわずかな染みに気が付いた。
そして、ああ、と思う。
最強種と呼ばれる竜種だが、ごくまれに何の力も持たない劣等個体という子供が産まれることがある。
魔力も、腕力もなく、人型をとれない個体も多い。
竜種は非常にプライドが高く、自分の子が劣等個体ということを認めないのだ。
ではどうするか、といえば、劣等個体であるとわかった途端にどこかに捨てて、いなかったことにしてしまうのだ。
貧乏ではあったが愛情深い母に育てられた記憶のあるエリスティナには、自分の子を捨てるという感覚が信じられない。
けれど、この卵についた染みは、この子供が普通の卵と違うということを示していて――おそらく、劣等個体だということで捨てられてしまったのだろう、ということがわかった。