竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
「私達、ずっと、遠回りしてきたわね」
「……そうですね」
互いにそう言って、エリナとクリスは見つめあった。
アーモンド形の美しい緑の目が、エリナの空色に映る。混ざり合った瞳の色は、クリスにはどう見えているのだろう。
エリナは目を閉じた。
感じるのは、かすかな吐息と、ためらい。
触れ合った胸の音が伝わって、うるさいくらいに拍動しているのがわかる。
エリナは、きゅ、とクリスの服を掴む。
それが合図だった。
触れ合った唇はやわらかく、あたたかい。
一筋の涙が唇に触れて、それが少しだけしょっぱかった。
唇が離れて、冷たい温度が触れる。
わずかな湿り気を残す唇に指先で触れて、エリナはほう、と息をした。
「エリー?」
「キスなんて、はじめてしたわ」
「え」
「前世でも、今世でも、唇同士のキスはしたことがないの。こんな感じなのね」
エリナは笑ってクリスを見上げた。が、クリスは顔を覆ってなにやら呻いている。
「勘弁してください……心臓がはじけ飛びそうだ……」
その顔は耳まで真っ赤で、それにエリナはまた笑った。
これでハッピーエンド、全部解決の大団円だ。
そう、思った。
「……そうですね」
互いにそう言って、エリナとクリスは見つめあった。
アーモンド形の美しい緑の目が、エリナの空色に映る。混ざり合った瞳の色は、クリスにはどう見えているのだろう。
エリナは目を閉じた。
感じるのは、かすかな吐息と、ためらい。
触れ合った胸の音が伝わって、うるさいくらいに拍動しているのがわかる。
エリナは、きゅ、とクリスの服を掴む。
それが合図だった。
触れ合った唇はやわらかく、あたたかい。
一筋の涙が唇に触れて、それが少しだけしょっぱかった。
唇が離れて、冷たい温度が触れる。
わずかな湿り気を残す唇に指先で触れて、エリナはほう、と息をした。
「エリー?」
「キスなんて、はじめてしたわ」
「え」
「前世でも、今世でも、唇同士のキスはしたことがないの。こんな感じなのね」
エリナは笑ってクリスを見上げた。が、クリスは顔を覆ってなにやら呻いている。
「勘弁してください……心臓がはじけ飛びそうだ……」
その顔は耳まで真っ赤で、それにエリナはまた笑った。
これでハッピーエンド、全部解決の大団円だ。
そう、思った。