竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
「リーハはやさシかった!私に、やさしかった!私の番よ!命より大事な番!好きだったのに!大好きだっタ!愛しテいた!」
「独りよがりで、他人を犠牲にしてもかまわないというのは、正しい愛ではないわ」
エリナは痛ましいものを見る目でカヤを見つめた。
カヤがうろたえる。
クリスのあたたかな手を背中に感じたから、エリナは勇気をもって、次を言うことができた。
「……かわいそうな子」
「ア――……」
それは、本心だった。カヤはきっと、何も知らなかった。何も知らないまま竜種の番になった。だから思いあがったし、だからこうなってしまったのだろう。