竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
「私、あなたが好きよ」
「――……!」
クリスが目を見開く。そして口を押えて、なにごとかもごもごつぶやいたあと、そっぽを向いた。
「反則だ……こんなにかわいいなんて」
「私からみたらあなたのほうがかわいいわ」
「聞かないでください!」
「大きな独り言ねぇ」
ふふ、と笑うエリナと頭を抱えるクリス。
ふたりの視線がかみ合う。やがて、見つめあって、クリスはゆっくりと状態を起こした。
不意打ちのように、クリスの唇が、エリナのそれに重ねられる。
驚いて目を瞬くエリナに、クリスが真剣な顔で言った。
「僕も、あなたが好きです」
――好きばかりがあふれて、どうしようもない。
エリナは、頬を伝う濡れたものの存在に気付いていながら、止めることはできなかった。
クリスの両腕が広げられる。想いのままに、その腕の中におさまって、二人はもう一度キスをした。
星空が、結ばれた二人を祝福するように、輝いていた。