竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
軽く撫でさすってやって、その卵が冷えそうにないことを確認すると少しだけ安心する。
本当は温石をいれてやりたいけれど、そんなものは支給されていないし、なにより一緒にポケットに入れると割れてしまいかねない。
エリスティナは、卵を定期的に両の手で温めて、自分の体温が伝わるようにエプロンの内側に作り付けたポケットで保温することにしたのだった。
野菜くずのスープを飲んだあとを見て、卵を温めるため、自分の体温を上げるべく次からは生姜を入れようと決意するエリスティナは、少し、この世界に希望を見つけた気がしていた。