竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~

 まったくエリスティナが悪であると言わんばかりの構図だ。
 この状況には覚えがある。カヤはリーハの関心を引くために、よくこうしてエリスティナへ冤罪を突きつけたから。

 いつもならそれでもよかった。
 けれど今。エリスティナの手元には、大切な卵がある。
 いつものようにただはい、申し訳ございません、と罰を受けて諦めるだけでは、この子の命は失われてしまうだろう。

 それだけはできなくて、エリスティナは地面から頭を上げて、まっすぐに竜王リーハを見据えた。
 いつもと様子の違うエリスティナに、リーハは一瞬、おや、という顔をした。

 しかし、カヤがわざとらしく涙を流してリーハに縋り付くと、エリスティナに対する疑問も掻き消えたらしい。またか、という表情で、リーハはエリスティナに向き直った。
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