竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
「お前は……!いつになったらカヤへの嫌がらせをやめるんだ!エリスティナ!」
「そんなことを言われる筋合いはございません、偉大なる竜王陛下」
「な……!」
足が震える。リーハの強い怒号に心がくじけそうになる。
それでも、リーハはぐっと奥歯を噛んで耐えた。ひれ伏して、その通りです、どうぞ罰をお与えください、と言いそうになるのをこらえた。
片手で抱えたままの卵はほのあたたかい。命の鼓動がする。
だからこそ、エリスティナはこの子をあきらめるわけにはいかなかった。
「カヤを泣かせておいてその言い草はなんだ!」
「それに関しては謝罪いたします。しかし、誓って私は重い罰を受けるようなことをしてはいません」
「竜種の番を傷付けたことが重罪ではないというか!」
「カヤ様がお泣きになったのは、竜王陛下に会えたからでしょう」
意識して、淡々と返事をする。
感情的になってはいけない。
「戯言を!」
「リーハ、エリスティナは不貞をしていたわ!卵を抱いていたもの!」
「なんだと……!」