竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
エリスティナが静かに告げる。
リーハは鼻を鳴らしてエリスティナを睥睨した。
「この子を見逃してくださるのでしたら、不貞の罪もなにもかもを受けいれましょう。どこぞの田舎で、二度とあなた方の前に姿を見せぬよう、この子を養育します」
「劣等個体の世話がお前なぞにできるものか」
「そのときは誰も知らぬ場で人間種と劣等個体が野垂れ死ぬだけでしょう」
言って、エリスティナは、地に頭をこすりつけた。
「どうか、どうか、このまだ小さき命を憐れんで下るのでしたら、この命をお見逃しください。この子に罪はございません」
「………………」
場を、沈黙が支配する。
あまりに無様なエリスティナの姿に、呆れただろうか。
――無様にもなるわよ。この子を守るためだもの。
「そんな要求、リーハがのむわけないでしょう!?」
「いい、カヤ」
「リーハ!?」