竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
エリスティナの肩に顎を乗せ、クリスがエリスティナの顔を覗き込んでくる。
エリスティナは、クリスの自分へのたしかな愛情を感じて目を細めた。
この子は、エリスティナを本当に慕ってくれている。愛されて、そして何より、愛してもいい相手がいることを実感して、エリスティナは微笑む。
「クリス、ありがとう。でも、大したことではないのよ。……あら?ところで、どうして私が不安になっているとわかったの?」
「うーん……?わからない。ただ、エリーがつらそうにしてたらすぐわかるんだ。どうしてかな」
「なにそれ、ふふ。まるで竜種の番関係みたいね」
エリスティナが思わず笑みこぼすと、クリスは目をぱちぱちと瞬いてエリスティナを見上げた。10年しか生きていないのに、もうエリスティナとの身長差は頭一つ分もないクリス。
その成長の速さに、やはりクリスは劣等種とは言え竜種なのだ、とわかっても、エリスティナのクリスへの愛情は揺らぐことはなかった。