竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
背中が燃えるように熱い。
エリスティナに思考力はもはやほとんど残っていなかった。おびただしい血が床へ広がる。それは、エリスティナの細い体を串刺しに貫いた瓦礫のせいで。
けれどエリスティナにはそんなことももうわからなかった。
背中は熱いのに、指先が凍ったように冷たくなっていく。
エリスティナは、抱きしめた腕の中のクリスに傷一つないことを確認して、ほっと笑った。
「クリス……だい、じょうぶ?」
「僕のことはどうでもいい!エリー!エリー!気をしっかり持って!」
「ふふ……大丈夫……私、あなたを守ってあげるからね……」
誰にも傷つけさせない。何からも守りたい。
そんな相手がここにいる。たとえいつか離れてしまうとしても、持てる愛をすべて注ぎたい。
そんなひと――そんな、クリスという存在に、エリスティナは微笑んだ。