竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
「エリー!死なないで……!」
「クリス……、ごめん、ね、シチュー、こぼしちゃ、て」
「エリー!目を開けて、エリー!」
エリスティナの目から涙が落ちる。
うっすらと開けた目の前に、泣いているクリスが見える。泣かないでほしいのに、涙のせいか、視界が煙っていくばかりだ。
ああ――、そういえば、さっきの、クリスの言葉、結局、聞かないまま終わってしまったわ、なんて。そんなことを思ったりして。
エリスティナは、最後の力を振り絞ってクリスの額にキスを落とした。
どうか、この子が、この先も、ずっと生きて、幸せになりますように。そう、祈りを込めて口付ける。
だって、クリスはエリスティナの一番大切なひとだから。