竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
「魔力のコントロールは得意なんです」
「ふうん。難しいって聞くわよ?クー、がんばったのねえ」
エリナは手を伸ばして、クーの頭をわしゃわしゃと撫でた。
驚いたように目を瞬くクーは、しかし拒絶することはない。
その様子に、エリナは自分でやったことにも関わらず、あれ?と思ってしまった。
今、体が勝手に動いた、というか。
急に撫でたくなって撫でてしまった。成人している竜種にこんなことおかしいとわかっているのに。
けれど、クーはここちよさそうに目を細めている。
「ありがとうございます」
そうやって、クーは嬉しそうに微笑んだ。
だから、エリナは、まあ、いいか、なんて思って、このことをいったん横に置いておくことにしたのだった。