竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
「エリナ」
「うん?」
「また、食べにきていいですか?」
「クー、あなた以外と図々しいわね」
「だめですか?」
クーはそう言って、子犬のような顔をして、わざわざ頭を下げてエリナを見上げて来た。うっ、顔がいいひとがこういうあざといことをすると絵になるのか。そんなことをちらと思う。
非常識だ。非常識なことを言われている、それは重々承知なのだけれど、なんだか嫌いになれないし、拒絶したくもなくなってしまった。
だから、エリナは頷いた。
「いいわ。その時はまたシチューを作ってあげる」
「本当ですか!?」
「ふふふ!何よ、その顔。断わられると思ってた?」
「それは、その、まあ、はい」
「まあ確かに常識知らずではあったけど」
「ええ……」