竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
しゅん、とうなだれるクーの頭を撫でてやって、エリナは笑った。
「なんでかしら、あなたのこと、嫌いになれないのよ。これからよろしくね、クー」
「……ッ、はい!」
ぱあ、とクーの顔が喜色に染まる。それを満足げに見やって、エリナは二人分の皿を手に、流し台に向かったのだった。
「……やっと、見つけた、僕のエリー……」
後ろで、一対の緑の目が、瞳孔をきゅうと丸くして、エリナの背中を見つめていることには、気付かなかった。