時間が巻き戻って、心を入れ替えた悪役令嬢は何故か愛されるようになりました!
普段は笑わないどころか、癇癪を起こしてばかりいたし。
その頃を思い出して、苦々しく思った。
あの頃はどうかしていたわ。
そう考えると、少しは変わったと思っていいのかしら……
「イクス?」
未だぼーっとしているイクスに声をかけると、はっと我に返ったような顔になった。
いつもの無表情に戻ったわね。
さっきのイクスは何だったのかしら……?
「イクス、体調でも悪いの?」
心配になって聞いてみたけど、イクスはすぐに首を横に振った。
「いえ、大丈夫です」
「そう。ならいいんだけど……」
顔色は悪くないし、イクスの言葉は事実ね。
ひとまず安心。