青空くんと赤星くん





その日のうちに、青先輩にメールをした。



『たこ焼きごちそうさまでした。
あと、夜遅くまで私のわがままに付き合わせてしまって、ごめんなさい。
それなのに、隠すのはやめようと、さっき思い直しました。
周りの人に嘘をつくより、からかわれる方がましだと思ったからです』



次に何て打とうか迷っていると、すぐに既読がついて、一分も経たないうちに返信がきた。



『謝らなくていいよ。
俺はもっと一緒にいたかったくらいだしね。

明日からは堂々と寄り道しよう!
くるみちゃんと行きたいところがたくさんあるんだ。

もし、からかわれたりしたら言ってね。
俺がしっかり周りに言うから、心配しないで』



それからまたすぐに、次はPHOTO BOOKに青先輩が投稿したという通知がきた。



夜景をバックに撮った写真の下には、
『俺の可愛い彼女。人目なんか気にしないで、俺だけ見てて』と書かれている。
ただ、その彼女の顔はたこ焼きのスタンプで隠されていた。
私の体の輪郭も夕闇に溶けて曖昧だ。



どこまでも気遣いができる人なんだな。
ありがとう、青先輩。
自慢の彼氏だよ、お母さん。




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