青空くんと赤星くん






ーーー2時間経過



「おはようございます!よく眠れましたか?」



アニマル型の脚が動き出して家出する動物はいなかったようだ。
みんな冷いなか熟睡できたみたい。
よく冷えていないとうまく外せなくて、脱臼する動物や花びらが散ってしまう危険があった。


手袋をはめて、慎重に型をひっくり返して後ろを少し押す。
すぐに外れた。
上出来だね。



アイシングをして、もっと本物っぽく見えるように花柄やアニマル柄を描きたい。
でも、時間が少し足らない……。
デコアイテムとチョコペンだけで本物に近づけるしかない。



花にはピンク色のチョコペンでふちどりをして、ココアパウダーや粉糖、キラキラパウダーをかけた。
金箔をのせると、あら不思議。
あたくしには花の妖精が住んでいます、と言わんばかりの光を宿したチョコができた。



これは絶品かもしれない。
飾り用アーモンドはチョコが乾く前に置かないと剥がれてしまうから、チョコペンをチョンとつけたらすぐにアーモンドをのせた。



動物には黒色、白色、黄色、ピンク色のチョコペンで口や耳、アニマル柄を描いた。
目にはアラザンを使った。
キラキラ光る丸いおめめがとてもかわいい。



絵心が欠けているせいかどれも顔つきがふにゃっとしているけど、ゆるキャラみたいで愛らしい。
うん!
ここまでかな!



デコったものが取れないように、また少し冷やした。
しっかりと接着ができたら、お次はラッピングの工程。
でも、包装するその前に……。



「試食ターイム!」



最初はビターとホワイトのプレーン味。
濃厚なチョコレートをストレートに感じられる。
この2種類と組み合わせた5つの味を試食してみよう。



1つ目は、アールグレイ味。
爽やかな香りがする。
紅茶はミルクティーに入っているアッサムくらいしか飲まないけど、アールグレイも美味しいんだな。
生チョコと組み合わさる紅茶は、食べるというよりも口の中で溶けて飲んでいるような食感だ。
こんなにもとろけるのは、クーベルチュールを使ったおかげだな。



2つ目は、マシュマロとクルミ味。
ふにゅっとするマシュマロと、ザクザクしたクルミの食感の違いが楽しい。



3つ目は、ラム味。
大人の甘い香り。
スっとするようなお酒の味が美味しい。



4つ目は、ドライフルーツ味。
ホワイトチョコレートとクランベリーの甘酸っぱさがとても良い。
白色と赤色の対比も綺麗だ。
この2つは合うってことは覚えておこう。



5つ目は、しょうが味。
スパイシーだ。
なかなか溶け込んでいる。
ドバドバ入れなくて正解だった。
しょうがが甘さをキリっとしめている。
味変にちょうどいい。




< 88 / 115 >

この作品をシェア

pagetop