イケメンは好きだけど近づかないでください!



アイツ足早いな

教室に戻れば姿が見当たらず

澪ちゃんに聞けばまだ戻ってないと



馬鹿だなー

ベランダに隠れてるつもりなんだろうけど

角度と俺の身長で頭が見えてる

恐らく澪ちゃんを買収したんだろう

気付いていないフリをして

優ちゃんの机でノートを開き

俺の連絡先とついでに落書きをして閉じる

その間も何回も頭を出したり引っ込めたり

全部見えてるっつの

それがちょっとかわいいと思ったのは秘密

さ、教室に辿り着くころには連絡くるかな

いい気分で教室に戻れば

琉生にうわぁ~という顔をされた



「翔に気に入られたあの子、可哀相」

「あ?光栄の間違いだろ」

「…まぁ翔って顔はいいんだよな、顔は」

「性格も、な」

「???」

「そんな難しそうな顔してんのはじめてみた」



スマホを見れば何も来ていない

アプリのバグか?と一度消して

もう一度開く



「???」



飯食ったらくるか

そう思ってもなかなか来ない

もうすぐ午後の授業も始まる…あれ?

授業の合間もたまーに見ても

公式サイトからの通知ばかり

授業が終わり琉生に質問する



「俺って人気じゃん」

「?まぁね」

「しかも俺って連絡先そんなにポンポン教えてないじゃん」

「流出拡散はあるけどね」

「そんななか直筆で書いて教えたらさ」

「うん」

「普通ソッコー追加するんじゃねーの?」



なんで???となっていれば


「翔が気に入った子なんでしょ?」

「え?あぁ、まぁ」

「普通が通じないって思った方がいいんじゃない?」

「普通が通じない…」

「気づいていない又は
本当に追加していいのか、とかね」

「なるほど???」

「わかってないね…」



普通が通じないってなんだとなっていれば

ポケットに入れたスマホが振動する

見てみると



『小鳥遊です。追加させていただきました。』



考えてたのが馬鹿らしくなるほど

テンションがあがり

先ほどの出来事を思い出し

イラつきなどなかったが



「さっき言ったこと覚えてろよ」



反応が気になりそんなことを送っていた


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