イケメンは好きだけど近づかないでください!



お出かけ当日

ファッションに疎い私は澪に丸投げした

選んでくれたのは少し大人っぽいワンピース

はたしてこれは私に似合っているのか…

髪はなんとか自力でアップにした



「大丈夫、いい感じ」



グッと親指を立ててる澪は流石というべきか

しっかり気合十分におしゃれしてきた



『ここまで頑張ったから見劣りはするだろうけど、
10歩後ろくらいなら先輩たちと歩っても
変じゃないよね!』

「それもはや他人の距離なのよ」



時間より早めに向かう

よく言う女が男待たせるパターン

あれは付き合っていればまだいいと思う

けど、相手は顔面国宝級のイケメンな上に

一応2個上の先輩なんだ

後輩として待たせるわけにはいかない



『よし、まだ来てないね』

「優ってさそのうちクズ男作っちゃいそうだよね」

『そう?』

「変なとこ律儀というか、真面目というか」

『気が利くって言いなさい』



ママ心配してくれるの~?とかわい子ぶれば

化粧バッチリしてきた自分に感謝しな。と

握りこぶしを作っていた



ふざけたやり取りをしていれば近くに人の気配を感じ

思ったより先輩たち早く来たんだ!と目線を上げれば



「お姉さんたちこれからどこ行くの?」

「2人なら俺らと遊ばない?4人ってちょうどよくない?」



知らないモブ達だった

澪と目を合わせて無視を決め込む



『澪、あっち行こう』

「おっけー」



その場を立ち去ろうとすれば

澪が腕を掴まれてしまう



「離してください。私たち人待ってるとこなので」

「あ、お友達?その子達も一緒でいいよ!」

『そうじゃなくて!困ります!』



人の話を全く聞いてくれない男達

本当に困ったな、どうしようと思っていれば

肩が急に重くなる



「なになにー?俺達も一緒に遊んでいいのー?」



近くで聞こえた声のする方を見る



『先輩…!』



久々に見た生秋月先輩に目がチカチカしていると

先輩と一緒に来ていた男の人

恐らくあの人が柊先輩

澪の腕を掴んでいる男の人の腕を掴んだ



「手、放してくれますか?」



ニコニコと笑っているが秋月先輩と同類の笑みだ

圧力がすごい怖い笑み


恐らく先輩2人に圧倒されて

そそくさと消えた



『秋月先輩、ありがとうございます』

「いいっていいってー
つか、あんなのシカトすりゃいいのに」



なにやってんの?と馬鹿にされる

クソッ、最近砕けてくれた話し方をしてくれるけど

些か癇に障る言い方をしてくる



『…』

「お?なに?」



怒ってんの?助けてあげたのに?



『顔面に免じて許してあげます』

「あーそう言えば俺の顔好きだもんな」

『はい!そうですけど!なにか!?』

「うん、素直でよろしい!」



先輩と攻防していれば



「こんにちは」

『あっ、はじめまして!小鳥遊優です!』

「こちらこそ、はじめまして
翔のクラスメイトで柊琉生です」



よろしくね。と微笑まれた

はぁーーーーー

これはハマる女子多そうだわ

若干心臓持ってかれそうになったもん



「おいコラァ…なに見惚れてんだよ」



澪が凄い勢いですごんできた

小声で話しているが

先輩達に聞かれている気がするんだけど


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