イケメンは好きだけど近づかないでください!



「んじゃそろそろ行くぞー」



先を歩き駅に入っていく秋月先輩



『そういえば決めてなかったですけど
どこに行くんですか…?』

「ちょーっと足伸ばして隣の県まで!」



ニヤッとする先輩

え、待ってまじでどこに行くんだろう

完全に近場でゲーセンとかかと思ってた



『ちょ、澪!所持金いくらある?』

「優こそ!まさか遠出すると思わなくて
そんなに持ってきてない…!」



女子2人でコソコソと相談していると

秋月先輩は早くしろよーと遠くから叫んでて

近くに柊先輩が来ている事に気づかなかった



「大丈夫、翔と俺が出すから心配しないで」



ね?と微笑まれた


はーーーーーー

こういうとこにみんな落ちるんだろうな

察しが良すぎる

遠くの方でまだかよー!と叫んでる秋月先輩が

尚更クソガキに見えたのはここだけの秘密

バレたら一発入れられる

この前のも含めば二発かもしれないけど



電車に揺られ先輩達に付いていき

辿り着いたのはお祭りだった



『え!出店!今日お祭りですか!?』

「そ。勉強の息抜きにいいだろ?」



そっか、先輩達はいま勉強漬けだもんね



『受験勉強大変ですか?』

「んーまぁだるいけど、俺頭もいいから全然」



"も"って協調された気がする

いや、したな

この目の前のお顔がそれを物語っている



『先輩、人をイラッとさせる天才ですよね』

「お前は俺をイラつかせる天才だけどな」

『私は先輩程じゃありませんよ!』

「はいはい、迷子になんなよー」



足の長さが違うのではぐれないように

速足でついていく


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