イケメンは好きだけど近づかないでください!

Side 秋月翔




定期的に連絡は続いていた

他愛のない話ばかり

最初は俺からばっかり話して

相槌の返事がくる

でも最近は向こうからも

何があった。と話してくれるようになった

季節は夏、部活も引退し夏休みに入り

3年の俺らは本腰を入れて勉強しなくてはいけない

推薦を受ける俺は正直何もしなくてもいい

勉強はできる方だし

焦ってなにかする必要もない

だから誘われれば色んなやつと遊ぶが

大体が女がいる

正直めんどくさい以外の何物でもない

ベットを背にスマホを開き

優ちゃんとのトークを見る



「なにしてんのかな」



気付けば口に出したことを

そのまま打ち込み送信をタップしていた

返事はすぐにきた

どうやら宿題に追われているようだ

クスクスと笑いが込みあげる

なんて送ろうかなーと考えていれば

シュポッと追加でなにか送られてきた



"よかったら遊んでくれませんか?"



思わぬ連絡に胸が高鳴った

ん?なんでドキッとした?

気のせいかと

快諾の返事を送り日程を送る

了解です。と事務的な返事が来て

そこでハッとする

2人で…?なに、すりゃいんだ…

こういうときの親友!と

電話をかけすぐに来てもらう



「なに」

「お前来週の○日暇だろ?な?」

「…いそが

「よし決まり!」

ハァ…翔のせいで俺は禿げそうだよ」



"琉生も連れてくからそっちも誰か連れてきていいよ"



急いで連絡をする

よし、これで気まずさは消えるだろう



「2人で遊べばいいのに」

「バーカ、アイツが俺とじゃ緊張すんだろ」

「…それはどっちかって言うと」

「ん?」

「いや、なんでもないよ」



そうだそうだ一応先に伝えておくかと



"めんどくせー女連れてきたら、わかるよね~?"



送信!とタップしたところを琉生に覗かれる



「翔、もう少し言葉遣いどうにかならない?
それ完全に脅しと変わんないよ」

「こういうのは先に言っといた方が楽だろ!?
それに別に素で話しても優ちゃんなら気にてねぇよ」

「…そう」



飽きれたようにため息をつく

琉生の言ってることはわかるが

今更口調直すなんて無理だっつの



返事が来てどうやら澪ちゃんがくるらしい

あの子なら大丈夫だろう

会うのが楽しみだ


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