イケメンは好きだけど近づかないでください!
当日になり
俺は柄にもなくワクワクしていた
朝が弱い俺を心配して
家にやってきた琉生に叩き起こされ
「そういえばどこに遊び行くか考えてるの?」
「んー適当にブラ付けばいっかなって」
ほら、俺と歩くだけで楽しいやついるじゃん
と言えば
重めのチョップをされる
「いってぇ!!」
「目覚めた?そういうタイプじゃないって
わかってるから今日楽しみにしてたんじゃないの?
翔ってそんなに馬鹿だったっけ?」
「…確かに!!ブラついて終わったら
たまに見せるあの冷ややかな目で見られちゃう!?」
「これは?」
琉生に見せられたのは隣の県の祭りの画像
どうやら今日は屋台が出ているらしい
「さっすが琉生!それだ!」
パチンッと指を鳴らせば
そのまま人差し指を掴まれ
「交通費とか諸々よろしく」
めっちゃ笑顔で言われた
「ハァ!?なんで!?」
「だって急に決めた事だし、ね?」
「いやまぁ女子たちの分は構わねぇけど、
お前は自分で払えよ!!?」
「チッ…駄目か」
「あたりまえだ!」
遅刻はよくない。と言われ
急いで準備して家を出る
待ち合わせ場所に辿り着けば
見知ったやつらが絡まれていた
「めんどくせー」
「自分の顔面見てナンパしろって思うよね」
「…琉生、お前も俺に負けず劣らず冷てぇな」
「翔の顔を見てるからかな
あぁいう輩見てると鏡見ろよって思うんだ」
ニコニコとしてるこいつは怖い
俺がお友達の方助けるよ。と言うので
俺は優ちゃんに近づき肩に腕を回す
「なになにー?俺達も一緒に遊んでいいのー?」
顔を上げ目が合ったかと思うと
とてもキラキラした目で見られた
急になんだか恥ずかしくなり
無視すりゃいいのにと馬鹿にすれば
ムッとした顔をする
それを更に煽れば
この顔に免じて許してくれるそう
そうかそうか、
この顔好きだもんなと思ったまま言えば
『はい!そうですけど!なにか!?』
効果音でも付く勢いで
ぷんぷんとしていた
そういうとこがツボなんだよなー
行き先を詳しくは伝えず
県外とだけ言い行くぞーと歩き出せば
なにやらコソコソと話している
それに気づき琉生が2人に近づく
「大丈夫、翔と俺が出すから心配しないで」
それを聞きポーッとした顔で琉生を見る
おいおいおい!!
それあとで俺が2人分徴収されっから!!
うっとりすんなら俺にしろよな!?
イラついたのでまだかよ。と催促する