イケメンは好きだけど近づかないでください!
ここ。と言えば立ち並ぶ出店を見て喜んでいた
息抜きにいいだろ?と言えば
勉強大変ですか?と聞かれる
だから頭もいいからなーと強調して言えば
ジトーっとした目で見られ
『先輩、人をイラッとさせる天才ですよね』
ド直球に言ってきた
たぶんこういうハッキリ言うところが
気に入ってんだよな
買うものを分担しようとなり
俺はもちろん優ちゃんを連行する
腕を引けば
『先輩!距離感どうしたんですか!?』
焦ってる様子の優ちゃん
確かに前にそんな話をしたけれど
「あ?それはお前から俺に対しての話でしょ?」
『勘違いしちゃうからって言ったじゃないですか!
イケメン大好きな乙女心わかってください!』
「そういえばそんな事も言ってたなー」
『私で揶揄うのやめてくださいよー』
別に揶揄ってるつもり…は、多少あるけど
なんも考えずに手を引いていた
『なんで私なんだ…』
恐らく独り言のつもりで呟いたのだろう
…なんでお前なんだろうな
なんで、だろう
タイプってわけでもない
ただ他の奴と少し違っていたから興味がわいて
そう、ラクだったからちょっかいだして
気付いたら俺も目で追っていて
コロコロ変わる表情とか
真面目そうに見えて実は適当だったりとか
…ん???
「え、まって、俺ってお前のこと好きなのかな?」
本人に言えばそれこそ勘違いだと一刀両断される
「優ちゃんは俺の事好きなの?」
『え!?いや、かっこいいなーとは思うし
そりゃドキドキはしますけど…』
何の気なしに言ったつもりだったが
今までちょっと違う反応
恥ずかしはずなのにハッキリと伝えてくる
と言うかそれ結構告白っぽいけど…?
この気持ちがなんなのかわからない
「俺もわかんねー。けど…」
けど、少し赤くなった顔で見てくるのは
可愛い。ってちょっと思ったり…
うーん。と考えていれば
話しを切り替えたいのか
『とりあえず買いに行きましょ!
あ、腕は掴まないでくだいさいね?
ドキドキはしちゃうんで』
そうか俺が腕を掴むとドキドキすんのか
へぇー…
さっきの告白紛いの発言もあり
一気に顔が熱くなった
いやいや、まじで…?
バレないように
「…じゃあどっか服でも掴んどけ」
と背を向ける
見られ、てないよな?
あっつ。と口元を手で押さえれば
服が引っ張られる感覚がした
遠慮がちに掴まれている
………かわいいなぁ、もう!!!
は!?かわいい!?俺よりちっせぇからか!?
祭りの雰囲気にのまれたせいだろうと
気まずくならなように
クジをしたりゲームをしたりして
他の2人と合流するのに時間がかかった