イケメンは好きだけど近づかないでください!

Side 秋月翔




小学生の頃からだったか

自分の顔の良さに気付いたのは



小さいときから大人に

可愛い可愛い

将来はイケメンさんになるね

そう言われて育ってきた



中学に上がれば

告白される回数が増え

正直めんどくさかった

自分がかっこいいのは知ってるけど

それだけで告白とかウケる

表面上優しくしてる俺にも非はあるかもしれねぇけど



高校に上がれば騒がれた

中学とは違い

俺が何もしてなくても

笑っただけでも

あちこちから悲鳴があがる

正直悪い気はしないので

愛想を振りまく

それを板に着けた頃には

俺は高3になっていた



今日も今日とて

登校しただけで悲鳴がうるさい

プレゼントや手紙を

ありがとー。

と言い受け取る

そして順番がどうのこうのと騒ぐ

うるせぇなー

そういうの本人がいないとこでやれっつの

ハァ…とため息をついた時に

不意に視線に気づく

あれは1年か?

あーあいつも話に混ざりてぇのかと

考えていればジーッと見つめ

そのまま慌てて去って行った

珍しいパターンだった

でもそう思うだけ

あんなモブみたいなやつ

授業が始まったころには忘れていた


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