イケメンは好きだけど近づかないでください!
『んじゃ、ちょっとトイレ行ってくる』
「うわ、マジで行くんだ」
『恥ずかしいけど致し方ない』
「…話割って入ってごめん、
小鳥遊、なにが起きたらその恰好になるの」
『水瀬くん…私目掛けて突然の雨が降るんだよ…』
じゃ!行ってくる!と2人に手を振られ教室を出る
まぁ案の定というか色んな人の視線がすごい
私を見た後に外を眺める人多数
ごめんね、今日は晴天だよ
どこかに息を潜めてるのか
私が個室に入ると話し声が聞こえてくる
しっかりとカッパと着こみ準備は万端
しばらくしているとバシャッと雨が降り注ぐ
これさ、本当にいじめだよね…
そろそろ本気で先生相談して
みんなの内申点下げてもらおうかな
「そろそろ懲りたー?」
「翔に絡まないって言ったら許してあげるけどー」
「そうそうー!翔くんが仲良くしてくれるからって
あんま調子乗んなよー!」
立ち上がり個室から出る
私が出るとこの恰好にみんな驚いていた
悪いけど、私そんな貧弱じゃないんだよね
「はぁ!?カッパ!?馬鹿なの!?」
『馬鹿は馬鹿なりに試行錯誤した結果でーす!
言いたいことはわかりましたけど、
ぶっちゃけ翔先輩が誰と話すかなんて
翔先輩の勝手だと思うんですけどー
保護者か何かですかー?』
「ッ!!アンタあんま馬鹿にすんじゃないわよ!!」
『っ…いった』
女の子って非力だけど
本気で殴る時って結構痛い
「取らないでよ!!」
『取りますよ。ってか好きなら取ればいいじゃないですか
最終的に決めるのは先輩ですけど』
好きなら全力でいったほうがいい。って
それは私自身にも言えることだけど
『私、先輩が好きなので負けませんけど』
捨て台詞を残しカッパを脱いで教室へと戻る
カッコつけた台詞吐いて来たけど
恰好ダサすぎて笑いが込みあげてくる
教室へ戻り澪の席の前までいき
バンッ!!と両手をつく
「なに、あ、カッパ役にたったっぽいね」
『私、頑張る!!』
「?うん、よくわからんけど頑張れ」
『うん!!』
こいつは私の応援をしているのかなんなのか不明
でも他の友達に無視されても私といてくれるから
本当に感謝してるし、
澪に何かあれば私が助けるし手伝う
『なにかあったら手伝うからね!!』
「あーうん、今んとこないかな」
『そっか!!!』