イケメンは好きだけど近づかないでください!



明日楽しみだなー何着て行こうかなーとルンルンだ

その気持ちのまま只今中学の同級生とクリパ中

24日の予定が無くなった瞬間に

ちょうど稼働していた中学の友達のグループで

独り身は集まろうと話が出てたので

二つ返事で参加するとメッセージを送った



『つか独り身多いな』

「「「「「イェーイ!!!」」」」」

『悲しくないのか。私は悲しくなってきたよ』



集まったのは20人いるかいないかってとこ

いや、こんなに集まるとは予想外



「優ってば高校で彼氏作るって意気込んでたのに
いないのは笑ったよーwww」

『…いないけど、好きな人はいるし!』

「え!?どれ!?だれ!?写真は!?」

『あるけどイケメン過ぎてたぶん目が死ぬよ』



この人。2個上の先輩なんだけどね!と見せれば

女子はみんな目がシパシパしたご様子で

男子は男から見ても顔が良すぎると褒められて

なんだか鼻が高くなった



「なんでお前が嬉しそうなんだよ、彼氏でもないのに」

『明日告白するの!!
もしかしたら付き合えるかもじゃん!!』



正論を言われムッとしたので

思わず盛大なことを言ってしまった



「えー!!!頑張って!!マジで!!」

「そんで上手くいったらお友達紹介して!!」



ホラ!類は友を呼ぶって言うじゃん!と

前のめりで迫られてしまった



『…私の友達、正直者しかいない』

「それはほら!あんたと仲良くするくらいなんだから」



こんなもんじゃね?と言われれば

確かにと謎に納得してしまった


ファミレスを出て次はカラオケだー!と

クリスマスで賑わっている街並みを歩いていれば

チラチラと雪が降り始める



『雪!つもるかな?』

「明日まで降るらしいよー!」

『お!じゃあちょっとだけ積もるかな』



明日はもう少し暖かい格好に変えようかなと

先輩に会える事を考えて頬が緩んだ


だけど

目に入ってしまった



『あ…』



目線の先にはこの前助けてくれた

水ぶっかけ先輩と

楽しそうに腕を組んで歩いている


翔先輩だった



『…』



そっか、聞き覚えのある声だったけど

あの先輩だったんだ


トイレでの出来事を思い出す



「"負けない"」



勇気、出したんだな



「優ー?」

『あ、ごめん!なにー?』

「いや、急に思いつめた顔するから」

「なになに、告白緊張してんの?」

『そ、そうなんだよねー
かっこよすぎて振られるのだろうなーって』



苦笑いしか出てこない

さっきの2人を思い出す

女の先輩も最初は完全に私をいじめてきたけど

本当は翔先輩がただただ大好きで

焦ってあんなことしただけだったし



『美人だったし…』



なによりもさっき見た先輩



『楽しそう、だったな』



付き合ったのかな

でも、なんだかお似合いにも感じて


………


心が、ぎゅっと、苦しいや


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