イケメンは好きだけど近づかないでください!



机に突っ伏して涙が滝のように流れている



「今度は何をやらかしたんだ?」

「かくかくしかじか…」



話をすれば頭を抱える琉生



「馬鹿だ馬鹿だとは思っていたけど
ここまで馬鹿だとは思わなかったよ」

「!!?親友に向かって馬鹿って
言い過ぎなんだよバァーカ!!!」

「騒ぐな座れ」

「はい」

「まず24日の予定を自分から誘っといて
他の女との予定を入れるなんて!!
………今までの翔なら普通の事だな」

「いやそうなんですけどね!?
過去は忘れて!?ガキだったんだよ!!
つーか?それはお前もだろうがよ!!」

「…チッ…まぁとりあえず優ちゃんには
ちゃんと謝って…」

「それが…25日でもいいか聞いたんだけど
返事来なくて…」

「あー…」

「あ!待て!来た!
えっとー…"すみません!その日は予定があって…"
あ、ははうわあああああんん琉生いいいいい」

「あーはいはい悲しいねー
直接話してきなー」

「そうする」

「立ち直りはや」

ガタガタと立ち上がり

優ちゃんの教室へと向かう

向かっている途中廊下で見つける

声をかけようとすれば

気付いているのかいないのかは不明だが

舌打ちが聞こえた

恐る恐る声をかける



「ゆ、ゆーちゃん…?」

『あぁ、翔先輩、なんですか?』

「怒ってます…?」

『え?あぁ、まぁ、はい、そうですねー』

「予定変更したから?だよね?」

『…チッ』



どうやら先ほど聞こえた舌打ちは俺宛だったらしい



なんとか機嫌を取ろうとするも

俺がついつい癖で煽るような事を言ってしまい

最高にでかい舌打ちをされた

女子にこんな舌打ちされたことない怖い

どうしよう、どうやって、

なんて声をかければいいんだと焦っていれば



『25日』

「え」

『楽しみです!』



もう怒ってないですよ!と笑ってくれた

その言葉に顔が綻んだ

今の自分は嬉しい!と

顔にデカデカと書かれているだろう

待ち合わせの時間や場所を決めて一緒に帰り

隣で楽しみですねー!と

ニコニコしている優ちゃんを横目に

絶対その日に告る!!!と強く決意する


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