イケメンは好きだけど近づかないでください!
時間を見れば21時過ぎ
『私はもう満足したので、
早く彼女さんのところに行ってください!』
「…ん?」
『先輩が優しいのはもう知ってますけど
あんまり勘違いされる事はしちゃ駄目ですよ?』
今日、手を繋いでくれたり
ぬいぐるみをくれたのも
先輩の優しさだったんだと思った
きっと…私の気持ちに気づいてて…
「ちょ、ごめん、ストップ」
私の顔の前に手のひらを出して制止される
『???』
「彼女って?」
『え…あの、昨日腕組んで歩ってた…』
「あー見ちゃったのか」
私はクエスチョンしか浮かんでなくて意味が分からない
『???告白、されたんですよね?』
「うん、された。ってそれも知ってたのか…」
じゃあどういうこと…?
「されたけど、断ったの。
んで卒業するし最後に思い出にしたいっつーから」
今まで気持ちには気付いてたけど
適当に流しまくってたからケリをつけた。
と話す先輩
ってことは…私の勘違い?
『付き合って、ない…?』
「そういうこと。
んでそうなるとつまりは俺フリーってわけ」
『そうですね…?』
いつも意地悪する時の抓るのとは違う
先輩の手が優しく私の頬を包み
目線が合うように上に向けられる
「ハハッ いま頭ん中パニックだろ」
『はい、意味わかんないです』
ジッと目を見つめられる
「俺も優が好きだよ」
『…へ』
嘘、嘘だよ、だって…
『う、うそですよね?それか揶揄って』
「ハァ?ここで揶揄うほど腐ってねぇんだけど」
自分でも驚いた
急に目頭が熱くなってきて視界が歪む
「え、ちょ、なんで泣くんだよ!?」
『ゔ、ゔれじくて…』
「あーあーそんな泣くことじゃねぇだろ?」
『泣くほどですよ…』
グズグズと涙が止まらなくて
先輩が指で拭ってくれる
「優」
『は、い』
「俺と付き合って」
『よ、よろしくお願いします…!』
そこで私はまた更に涙が溢れた
嬉しくてこんなに泣くなんて始めてだ