イケメンは好きだけど近づかないでください!
ペタンと床に座っていた私の前に
伏し目がちにしゃがみこむ先輩
『ち、ちかくないですか』
「ん?近づいてんの」
初めて見たときは
金髪だからキラキラしてると思ったけど
黒髪の今もキラキラして見える
そっか、最初から私にはそう見えてたのか
どんだけ見てもイケメンで
かっこよすぎて
息が吹きかかる距離
少しでも動けばくっついてしまいそうで…
『近づかないでください!!!』
「…嘘じゃん!?なんで!?」
ドンッと力いっぱい肩を押し
後ろに倒れポカンとした表情の先輩
「いまいい雰囲気だったよね!?」
『まだイケメンに耐性ないんです!!』
「テメェ…」
グイッと腕を引かれ一緒に倒れこみ
先輩の胸に顔を埋めるようにすれば
優しく包み込むように抱きしめてくれる
『すごい、ドキドキしてますね』
「うっ、るせー。
緊張してんのはお前だけじゃねーから」
かわいいとかかっこいいとか
色んな事が頭を過ったがそれよりも
『っ、大好きです!!!』