イケメンは好きだけど近づかないでください!
Side 秋月翔
3月
長いと思っていた高校生も今日が最後
高3からは誰かのおかげで毎日楽しかった
あちこちから卒業しちゃいやーとか
遊びにきてねーとか誘われる
顔を真っ赤にさせて何かを言おうとしている子が1人
「先輩!!あ、あの…」
「んー?」
「ぼ、ボタンって頂くことできますか!!」
勇気を振り絞って言ったのだろう
俺なんかよりも勇気があってカッコいいね
「ごめんね、これ彼女にあげたいんだ
でも勇気出して言ってくれてたの伝わった!
カッケーよ!」
ニコッと微笑めば案の定響き渡る悲鳴
遠くの方でこちら見ている人影に気付く
また澪ちゃんと何か話して
なんかショックを受けている様子
なんだ?
もしかしてこれだったり…?
「優ー!おまえこういうの欲しいだろ!
ちゃんと死守したぞー!」
『欲しい!!!』
とびきりの笑顔で言われる
お、ビンゴだったな
駆け寄り優に後ろから抱き着く
「何の話?」
『翔くんが可愛いって話です』
「カッコイイって言われたいんですけどー」
『カッコイイっていうのがベースにあるんです』
「じゃ、いっか!」
『はい!』
見ての通りラブラブに過ごしています
イチャイチャとしていれば
澪ちゃんにやめてくださいと圧をかけられる
「澪、翔はガキだから
見せつけたくてしょうがないんだよ」
「いいだろ別に。つか前らだって散々俺たちの前で
イチャイチャしてただろうがよ」
俺の言葉を無視して琉生が澪ちゃんの頭を撫でる
「琉生…うん、そうだね」
『えぇー…そっちも見せつけてくるじゃん…?
しかも翔くんはガキなとこが可愛いの!』
「優…それフォローになってねぇんだけど…?」
まぁ可愛いからなんでもいっか
「あ、そうそう、俺らこのあと打ち上げあんだけど」
「行ってきてもいいかな?」
琉生と2人で彼女の様子を伺う
俺らの方が先輩なのに
俺らは惚れこむと彼女に弱かったらしい
「どうする澪?私は構わないけど」
「うん、私も別に!
あ、じゃあ折角だしあそこ行こうよ!」
「あ!そう言えば行ってなかったよね!」
なにやら女子で盛り上がり始めてしまった
澪ちゃんは琉生に、優は俺に
割と惚れこんではいたけれど
付き合うとなると別らしく
束縛とか激しいのかと思いきや
報連相すればいいよーとケロッとしていた
それが俺らとしては不服で
嫉妬してくれないかなー?という意味もこめて
わざわざ毎回許可を取りに来る
「翔、行こうか」
「クッソ!!楽しんでやるもんねー!!」
2人で少し拗ねて打ち上げに参加したものの
お互いの彼女から
プリ取ったー!可愛い?と連絡が来て
「「俺の彼女可愛い」」
と一気に機嫌はなおった
「琉生」
「ん?」
「俺らってちょろかったんだな」
「ね、自分で吃驚してるよ」