人肉病
☆☆☆
トイレで倒れていた彼女が言っていたように、よく鼻をきかせてみれば学校内のあちこちからいい匂いが立ち込めている。
廊下も教室も血溜まりだらけなのだから、当然のことだった。
私はまるで宝物のようにスカートのポケット肉片を忍ばせて、教室へ戻ってきた。
そこには先に戻ってきていた圭太の姿がある。
圭太は窓辺に立って外の様子を確認していた。
「自衛隊の姿が増えたな」
街の方へ視線をむけてみても、あちこちに迷彩柄の車が停まっているのが見える。
「お母さんたち、大丈夫かな」
1度連絡を取り合ったきり、それ所ではなくなってしまった。
座り込んでスマホを確認すると、麻子からメッセージが届いている事に気がついた。
《麻子:薫ちゃん、今どこにいるの? 私ひとりぼっちだよ。どうすればいいかわからないよ》
麻子の姿は学校内が混乱に包まれる前に見ただけで、それ以降確認できていなかった。
私はすぐに麻子へ電話をかける。
しかし、呼び出しの音楽が流れるばかりで出る気配はない。
もしかしたらどこかで隠れていて、通話できない状態にいるのかもしれない。
《薫:こっちは大丈夫だよ。どこにいるの?》
メッセージに気がついてくれれば、きっと連絡してきてくれるはずだ。
「ニュースを確認できるか?」
トイレで倒れていた彼女が言っていたように、よく鼻をきかせてみれば学校内のあちこちからいい匂いが立ち込めている。
廊下も教室も血溜まりだらけなのだから、当然のことだった。
私はまるで宝物のようにスカートのポケット肉片を忍ばせて、教室へ戻ってきた。
そこには先に戻ってきていた圭太の姿がある。
圭太は窓辺に立って外の様子を確認していた。
「自衛隊の姿が増えたな」
街の方へ視線をむけてみても、あちこちに迷彩柄の車が停まっているのが見える。
「お母さんたち、大丈夫かな」
1度連絡を取り合ったきり、それ所ではなくなってしまった。
座り込んでスマホを確認すると、麻子からメッセージが届いている事に気がついた。
《麻子:薫ちゃん、今どこにいるの? 私ひとりぼっちだよ。どうすればいいかわからないよ》
麻子の姿は学校内が混乱に包まれる前に見ただけで、それ以降確認できていなかった。
私はすぐに麻子へ電話をかける。
しかし、呼び出しの音楽が流れるばかりで出る気配はない。
もしかしたらどこかで隠れていて、通話できない状態にいるのかもしれない。
《薫:こっちは大丈夫だよ。どこにいるの?》
メッセージに気がついてくれれば、きっと連絡してきてくれるはずだ。
「ニュースを確認できるか?」