人肉病
「2年生の連中は教室内で殺し合いが勃発したんだろうな」


3年生たちはみんな一斉に外へ逃げ出そうとしたけれど、2年生はそれよりも先に誰かが誰かを殺した。
または、食べるなどしたんだろう。
だから逃げる隙もなく教室で息絶えた死体の数が多いんだ。

麻子の死体がどこかに紛れていないか、制服や死体の顔を確認していく。
幸い、どこの教室にも麻子の死んだ形跡は残されていなかった。


「よかった。この階に麻子はいないみたい」


となると、残されているのは3階か、1階だけになる。


「どっちを先に探す?」


階段までやってきて圭太が聞く。
どちらからでも問題ないと答えようとしたときだった。
3階から男子生徒の悲鳴が聞こえてきて私達は同時に視線を上へ向けた。

もちろんここからじゃなにも見えないけれど、誰かが襲われているのか、逃げているということだけは理解できた。
ここで巻き込まれるわけにはいかない。

私はすぐに「1階に行こう」と、声をかけたのだった。
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