人肉病
☆☆☆
1階に辿り着くまでの階段で死んでいる生徒2人を見つけた。
彼らの乱れた着衣から覗く肌には赤い斑点が広がっている。
それを見て思わず顔をしかめてしまった。
「みんな、感染者を殺すことに抵抗がなくなってきてるのかもしれないな」
首に締められた痕が残っていたり、胸を刺されていたりする死体は当時の状況がそのまま呼び起こされて痛ましさを感じる。
「仕方ないよ。やらなきゃ、やられるんだから」
私は自分にそう言い聞かせて階段を駆け下りた。
1階の廊下にたどり着くと保健室の前に白衣を着た女性が倒れているのを見つけて息を飲んだ
保険の先生だ!
咄嗟に駆け寄って「先生!」と声をかける。
先生はうつ伏せに倒れていて返事をしない。
圭太が先生の体を仰向けにするとその首にカッターナイフが突き立てられているのが見えた。
「ひっ」
思わず悲鳴をあげて目をそらす。