人肉病
私の質問に父親は何度も頷いている。
今テレビに写っているのは、私達が暮らしている街ってこと……?
驚きと衝撃でいまいち頭がついていかない。
さっきからニュースを読み上げているキャスターはずっとスタジオにいるし、流れている画像は何年か前のものみたいだし。
「新種のウイルスって言ってたわよね? この街にウイルスが蔓延してるってこと?」
母親が呆然とした表情で、呟くように言う。
「わからない。会社からもなにも連絡は来てないしな……」
父親は眉間に深いシワを寄せてスマホを確認している。
学校からもなにも連絡はないから、普通に出席すればいいんだろうか。
画面の中で慌ただしく走り回る自衛隊員たちの姿が、今自分の街で起こっていることだなんて、とても信じられない。
「どんなウイルスかもわかってないし、もしかしたらそれほど悪影響がないのかもしれないな」
今度は新聞で情報を集めていた父親が新聞をテーブルに置いて言った。
どうやらめぼしい記事は見つからなかったみたいだ。
「ニュースでやってるだけなら、きっと大丈夫だよね?」
「あぁ。ニュース番組は時々大げさだからな」
父親はそう言うと、リモコンでテレビを消してしまったのだった。
今テレビに写っているのは、私達が暮らしている街ってこと……?
驚きと衝撃でいまいち頭がついていかない。
さっきからニュースを読み上げているキャスターはずっとスタジオにいるし、流れている画像は何年か前のものみたいだし。
「新種のウイルスって言ってたわよね? この街にウイルスが蔓延してるってこと?」
母親が呆然とした表情で、呟くように言う。
「わからない。会社からもなにも連絡は来てないしな……」
父親は眉間に深いシワを寄せてスマホを確認している。
学校からもなにも連絡はないから、普通に出席すればいいんだろうか。
画面の中で慌ただしく走り回る自衛隊員たちの姿が、今自分の街で起こっていることだなんて、とても信じられない。
「どんなウイルスかもわかってないし、もしかしたらそれほど悪影響がないのかもしれないな」
今度は新聞で情報を集めていた父親が新聞をテーブルに置いて言った。
どうやらめぼしい記事は見つからなかったみたいだ。
「ニュースでやってるだけなら、きっと大丈夫だよね?」
「あぁ。ニュース番組は時々大げさだからな」
父親はそう言うと、リモコンでテレビを消してしまったのだった。