人肉病
☆☆☆
「こんなことをして、ただじゃ済まされないぞ」
圭太の父親は私達を順番に睨みつけていく。
圭太は一瞬視線をそらしそうになったけれど、それでも懸命に父親を睨み返していた。
「圭太。お前は感染者の味方をするつもりか? どういうつもりだ?」
「俺は感染者の味方じゃない。薫の味方だ」
キッパリと言い切る圭太に胸がドクンッと跳ねた。
こんなときだけれど顔が少しだけ赤くなるのを感じる。
父親の視線がこちらへ向かい、舌打ちが聞こえてくる。
「こんな小娘のためにか」
そう呟く声が聞こえてきて私は奥歯を噛み締めた。
圭太にはもっとふさわしい人がいるとでも言われているような気分だった。
「そんな話はどうでもいい! このウイルスはあんたの研究所が関与してるんじゃないのか!?」
「確かに、このウイルスは研究所で作成したものだ」
あまりにも簡単に肯定されて、それが嘘ではないかと勘ぐりたくなってしまう。
直もたじろいでいるのがわかった。
「俺に打った注射はワクチン?」
「あぁ。一週間前に研究所の関係者や家族全員が摂取した」
「お母さんも?」
「こんなことをして、ただじゃ済まされないぞ」
圭太の父親は私達を順番に睨みつけていく。
圭太は一瞬視線をそらしそうになったけれど、それでも懸命に父親を睨み返していた。
「圭太。お前は感染者の味方をするつもりか? どういうつもりだ?」
「俺は感染者の味方じゃない。薫の味方だ」
キッパリと言い切る圭太に胸がドクンッと跳ねた。
こんなときだけれど顔が少しだけ赤くなるのを感じる。
父親の視線がこちらへ向かい、舌打ちが聞こえてくる。
「こんな小娘のためにか」
そう呟く声が聞こえてきて私は奥歯を噛み締めた。
圭太にはもっとふさわしい人がいるとでも言われているような気分だった。
「そんな話はどうでもいい! このウイルスはあんたの研究所が関与してるんじゃないのか!?」
「確かに、このウイルスは研究所で作成したものだ」
あまりにも簡単に肯定されて、それが嘘ではないかと勘ぐりたくなってしまう。
直もたじろいでいるのがわかった。
「俺に打った注射はワクチン?」
「あぁ。一週間前に研究所の関係者や家族全員が摂取した」
「お母さんも?」