人肉病
クラスメートたちが口々に疑問を呟いているが、そのどれもが不穏そうな声色をしている。


「ここで待ってて」


私は麻子へ声をあっけると、同じように窓辺へと近づいた。
そこからグラウンドへ視線を向けると、グラウンドの中に3台の自衛隊員の車が入ってきていることがわかった。
自衛隊員の人数は、車の数よりもはるかに多いみたいだ。


「どうして自衛隊員がグラウンドに?」


思わず、他のクラスメートたちと同じように疑問が口をついて出てくる。
今までこんな光景は見たことがなかった。


「大丈夫か?」


声をかけられて振り向くと、心配そうな表情の圭太が立っていた。
圭太の顔色もあまりよくないみたいだ。
ユカリがあんなことになってしまったから、それも当然のことだった。
今の私達はとても授業を受けられるような状態じゃない。


「うん。どうにか」


本当は今すぐにでも家に帰って横になりたい気分だった。


「今朝のニュース見たんだよな?」

「見たけど、それがどうかしたの?」
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