人肉病
早足で昇降口へ向かうと、思っていた通り大きなダンボール箱2箱がそこに置かれていた。
出入り口を塞ぐように立ちふさがっている自衛隊員たちの姿は相変わらずあるけれど、物資がそこに置かれているので近づいても大丈夫そうだ。
「食べ物の他になにかないかな」
圭太がそう呟いて箱に近づいてときだった。
後からやってきた数人の男性とたちが圭太の体を無理やり押しのけて箱に飛びついた。
はじき出された圭太は尻もちをついて渋い顔をしている。
「おい、なにすんだよ!」
声をかける先で男子生徒たちは我先にと食べ物を奪い取っていく。
「そんなに取ったら、他の人の分がなくなっちゃう!」
思わず声をかけると1人が手をとめて振り向いた。
その顔には笑みが張り付いていて一瞬たじろぐ。
「それなら心配しなくていい。もう感染してない生徒の方が少ないんだ。俺たちがいくら食料を奪っても、まだまだ残ってる」
「え、嘘でしょ」
もう感染者の方が数が多いってこと!?
私は驚きのあまりその場で硬直して動けなくなってしまう。
男子生徒たちは自分たちの両手に持てるだけの食料を取ると、すぐにどこかへ走り去ってしまった。
きっと、感染者が来ないような場所に隠れているんだろう。
出入り口を塞ぐように立ちふさがっている自衛隊員たちの姿は相変わらずあるけれど、物資がそこに置かれているので近づいても大丈夫そうだ。
「食べ物の他になにかないかな」
圭太がそう呟いて箱に近づいてときだった。
後からやってきた数人の男性とたちが圭太の体を無理やり押しのけて箱に飛びついた。
はじき出された圭太は尻もちをついて渋い顔をしている。
「おい、なにすんだよ!」
声をかける先で男子生徒たちは我先にと食べ物を奪い取っていく。
「そんなに取ったら、他の人の分がなくなっちゃう!」
思わず声をかけると1人が手をとめて振り向いた。
その顔には笑みが張り付いていて一瞬たじろぐ。
「それなら心配しなくていい。もう感染してない生徒の方が少ないんだ。俺たちがいくら食料を奪っても、まだまだ残ってる」
「え、嘘でしょ」
もう感染者の方が数が多いってこと!?
私は驚きのあまりその場で硬直して動けなくなってしまう。
男子生徒たちは自分たちの両手に持てるだけの食料を取ると、すぐにどこかへ走り去ってしまった。
きっと、感染者が来ないような場所に隠れているんだろう。