人肉病
体育館が学校と隣接して作られていて、一旦外へ出る必要もないので自衛隊員に合うこともない。
分厚くて重たい体育館の扉を少しだけ開いてみると、中からバスケットボールの音が聞こえてきた。
笑い声も漏れてきて私と圭太は目を身交わせる。
薄く開いた扉から硬めで様子を確認してみると、10人ほどの生徒たちが集まってバスケットをしているのが見えた。


「遊んでるのか?」


圭太が目をパチクリさせて呟く。


「そうみたい。どうする? 入っても大丈夫だと思う?」

「もう少し様子を見たほうがいいかもしれない」


一見害はなさそうだけえれど、彼らが感染者かどうかがわからない。
私は彼らに気が付かれないように息を殺して様子を見守った。

体育館内では時折誰かが得点を入れて、その度に大きな歓声が湧き上がる。
試合がどんどん進んで休憩に入ったとき、1人の男子生徒が扉付近までやってきて腰をおろした。
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