私の担当医。~2~
それからしばらく点滴は続いたけど
少ししたらつわりが落ち着いてご飯を食べれるようになった。
気づけば20週。
こないだ検診に行ったら赤ちゃんも大きくなってきた。
性別は生まれてくるまで聞かないことにした。
女の子でも男の子でも元気に生まれてきてくれるだけで奇跡。
名前も両方とも考えて楽しい時間を過ごしていた。
「すずちょっと話あるんだけど...」
そんな楽しい時間を過ごしていたある日
急に仕事前に海斗に言われた
「なに?怖い」
「透析の話。これから毎日頑張ってほしい。
ちょっと腎臓が良くない」
「...」
こないだの血液検査の結果が良くなかったんだ
副作用が強いのにそれが毎日か...
「いつまで?生まれるまで?」
「うん」
はぁ。
「仕事はどうなるの?」
「仕事は行ってもいい。
帰ってきてから夜、透析室あけて俺がやる」
「...ちょっと考えさせて」
事前に毎日、透析することになるのは聞いていたけど急に言われると心の準備がいる
それから2日後
「心の準備できた?」
海斗と買い物に出て歩いてる時に
ふと聞いてきた。
忘れてたわけじゃないけど
こんな買い物中に話をされると思ってなかった。
「海斗が当直でいない時とかは?」
海斗は仕事で夜いない時がある。
そう言う時は誰が透析の針刺したりするんだろう
「俺がすずの透析で針すら刺せないくらい時間がない時はやらなくていい。
毎日付きっきりは無理だけど針刺しは毎日俺がやる」
「えっ、ほんと?」
「うん。ただ俺ができる日はすずは透析を毎日やる。」
予定日まであと20週
考えるだけで憂鬱だけど赤ちゃんのため。
「わかった。頑張ってみる」
「ありがとう。俺も支えるから頑張ろう」
海斗は嬉しそうに私の手を握った