私の担当医。~2~

「たける!!!
たける!!!大丈夫?」

急に周りが騒がしくなった。

「たける!」

お母さんが3歳くらいの男の子を抱えて叫んでいた。

「えっ」

私が驚いていると
すぐに海斗が駆け寄った。

「すず!俺のバック持ってきて」

海斗はお茶を買いに行く時
財布だけもってバックは私が座ってるテーブルに置いていっていた。

「これ?」

「そう」

私もバックを持って近寄ると
男の子が顔を真っ赤にしながら
苦しそうにしていた。

「いま何食べてましたか?」

母「そこで買ったからあげとお好み焼きです。」

「たけるくんアレルギーありますか?」

母「山芋はダメですけどあとはありません。」

「すず、救急車よんで。」

「う、うん。」

「お母さん、アナフィラキシーショックといってきっと何かでアレルギー反応でてます。
僕、医者で医療キットもってきてるんですけどその中に入ってるアレルギー用の薬を注射してもいいですか?きっとそれでマシになります。」

母「...はい。お願いします」

「たけるくん、苦しいよね。
ちょっとちくっとさせて。
すぐ楽になるからね。」

海斗はお母さんに年齢や体重を聞いて
バックの中に入ってた注射をたけるくんに打った。すぐに顔色が良くなってたけるくんが会話できるようになった。

「よかった。マシになったね。よく頑張った」

海斗がたけるくんの頭を撫でた

母「ありがとうございます。
本当にありがとうございます。」

「救急車きたら事情説明して一応、
病院行ってください。」

母「はい。」

しばらくすると救急車がきた。
海斗が救急隊に説明をしてたけるくんは搬送された。

お医者さんってすごい。
かっこいい。

ずっとお医者さんは嫌いだったけど初めてかっこいいと思えた。

病院以外でも人の命を助けることができるんだ。


「お茶忘れてた。今買ってくるわ」

私をみて思い出したのか
またお茶を買いに出た。

「お待たせ」

お茶やポテト、フランクフルト、焼きそば
を買ってきてくれた。

お腹は空いてなかったけど
食べないとまた低血糖が!!!とかうるさいから少したべた。

「海斗かっこよかった」

「え?」

「たけるくん助ける海斗、かっこよかった」

「そうか?医者だったらみんな助けるよ。
すずが思ってるほど嫌な医者ばっかりじゃない。」

「...」

「まぁすずには俺がいれば充分だ」

「うん、お医者さんは海斗だけでいい。」

2人で全部食べた。
いい感じにお腹が膨らんだ。

13:00

「あーもうこんな時間。」

「次は?」

「次は急流すべり!」

「また絶叫。大丈夫か?」

「うん!」

調べたらさっき乗ったジェットコースターほど怖くないって書いていた。

大丈夫だよ。
次こそはドキドキせずに
海斗みたいにクールに乗ってやる!


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