私の担当医。~2~
物音一つしない。
そうきたか...
鍵を置きっぱなしにしてた俺が悪いけど
ここまで頭が回るとは思わなかった。
「とりあえず返事しろ
声を聴かせろ、命令だ」
「...なに」
2日ぶりに聞いたすずの声
痛み止めの点滴は抜かれてないから
刺さったままなのか
「点滴入ってんの?」
「...」
返事がない。
何考えてんだ。
大事な2回目の透析をすっぽかすし
会話がまともにできてないのもあってか
イライラが募ってきた。
「会話をしろ」
「...」
「今出てきたら許す。
まだ立てこもって出てこないなら
一生すずに自由を与えない」
「...勝手にすれば」
「...はぁ」
イライラを抑えるために
部屋を出た。
すずへの関わり方が難しい。
俺だってなるべくすずが負担にならないために考えて精一杯やってる
なんで応えてくれない。
俺じゃない方がいいのか
もっと厳しい先生のもとで治療した方が
すずのためになるんじゃないか。
...プルルル
「橘です。先生にちょっとお願いがあって...
いやなんでもないです。すみません。」
先輩医師に連絡を取って
すずが部屋をでたらすずの担当をお願いするところだった
何考えてんだ俺。
俺がすずの病気をよくするって
誓ったのに。焦るな俺。
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