私の担当医。~2~
お墓をあとにして
次は海斗のご両親に挨拶に行った。
海斗の実家はお屋敷並みに大きくて
お金持ちが外観からみて伺える。
「ただいま〜」
「おじゃまします...」
「待ってたの〜
いらっしゃい」
海斗のお母さんが出迎えてくれた。
「初めまして。
北村すずです。よろしくお願いします。」
「すず、違うよ。
もう橘でしょ」
「あっ」
「ははっ」
すごく優しそうなお母さん。
リビングに案内されて行くと
以前、病院で会ったお父さんが座っていた
「すずちゃん、久しぶりだね。
体調は大丈夫か?」
「はい、おかげさまで」
「そっか...
ならよかった。
改めて結婚おめでとう」
「おめでとう」
「ありがとうございます。」
「ありがとう」
海斗のご両親も祝福してくれて
嬉しい。とっても心が温かくなった。
唯一の家族だったお母さんが亡くなってから
家族の温かみを感じることができなかった。
海斗と出会ってから
少しずつ他人の温かさを感じることを
思い出してきたけど
家族という存在が懐かしかった
「すずちゃん、座って。
いまお茶いれるわ」
「いや、そんな。
大丈夫です。」
「すず、座っとけ。
あまり動くな。今日ずっと外出して疲れてるだろ」
お母さんのお手伝いを
しようとしたのに海斗に止められた。
「そうよ。気にしないで」
お母さんは私たちにお茶とお菓子を出してくれた。
「ありがとうございます。いただきます」
美味しいお茶に美味しいお菓子