私の担当医。~2~

「親父、ちょっと聞きたいことがある」

「ん?」

「すず、透析始めたんだけどさぁ
副作用きつすぎで1時間ももたない。
吐き気止めも試みたがあまり改善されない。どうしたらいい?」

海斗とお父さんが私の透析の副作用について話している

「まだ身体が慣れてないからじゃないのか?
初期によく見られる吐き気。」


「俺もそれも思ったんだけどさぁ
結構きつそうなんだよな」

せっかくの休みの日なのに
透析のことなんか考えたくない。

気づけば耳を塞いでいた

「あっ、ごめん。」

海斗が気づいた

「...」

「親父、また連絡する。
ちょっと困ってんだ。」

「おう、いつでも連絡してこい」


「嫌だよねぇ。休みの日まで。
楽しい話しましょう。今日は晩ご飯食べて行くでしょう」

「いや、帰る。
今日はレストラン予約してる」

「え?」

そんなの聞いてない
驚いて海斗の顔をみた

「今日は入籍の記念日だ。」

「そうなのね。
わかったわ。また食べにきて。」

「はい、また来ます。」

とても穏やかな家庭だった。
優しいお母さんに物静かで見守るお父さん。
私も海斗とそういう家族を築きたい

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