私の担当医。~2~
電話で海斗に説得させられ
病院に戻って透析をうけた。
透析室は海斗から指示をうけていたみたいで
いつも通り30分で吐き気を催したが
すぐに透析を中止して
部屋に戻ってきた。
「橘先生戻ってくるまで俺いるから。」
今日はずっとそばに翔太くんがいてくれた
「...ありがとう」
なんで私はこんなに透析のあと吐き気がとまらないんだろう。
これが一生続くとか無理
...プルルル
私の携帯が鳴った
画面を見るが頭がぼーっとして誰だかわからない
「誰?」
翔太くんに誰からか確認してもらったら
海斗からだった
「代わりに出ていいよ」
「翔太です。
すず、吐き気がひどくて
ちょっと朦朧としてます
わかりました。」
スピーカーにしてくれた
『すず。あと1時間くらいで俺着くから。』
「...うん」
『明日の朝イチで学会の発表あるから
今晩中には関西に戻りたい。
俺ついたら吐き気止め打ってやるからそれまで頑張れるか?』
「...うん」
頭の中フラフラで海斗の声が遠く聞こえる
何言ってるかあまり理解できないまま
返事を返す
『翔太、もしあまりにもひどくて
顔色も悪かったらお前の判断で吐き気止め打ってもいい。
すずが嫌がれば俺がつくまで待っててもいいが打てそうなら打って寝てて欲しい』
「わかりました」
『じゃあすず、また後でな』
そう言って電話が切られた。
身体がだるくて寝たいのに
気持ち悪くて寝られない。
「すず、吐き気止めの注射打つ?」
私は首を横にふった
筋肉注射だから痛くて反射的にいつも動いて怒られてしまったり困らせちゃう
でも海斗は気づかない間に終わらしてくれる
私のことをよくわかってるのか
話してたりぼーっとしてる間に終わっている
その技術があるのは海斗だけで
翔太くんや真由さんであっても吐き気止めの注射は怖い
「わかった。先生くるの待とう」
それから少し眠っては吐き気で起きて
またウトウトして起きてを繰り返した。