その首輪はお断りします!【マンガシナリオ】
第5話 ハプニングとは、意図していない時にやってくるモノだから
〇夏目家リビングにて。昼
翼(ついに、大型連休がはじまった)
(朝、お父さんとお母さんが新婚旅行に行くのを見送り、現在はお昼過ぎ──)
机を挟んでテレビ正面にあるソファーに、並んで座る瑠叶と詩音。
その手には、コントローラーが握られていた。
二人がプレイしていのは、ゾンビを倒すゲームで協力型らしく、詩音が先陣を切り後ろに瑠叶が続く。
瑠叶「あ。ごめん、間違えて若倉を、撃っちゃった」
詩音「……蓮水、あんた何回目なの。次やったら、その息の根を止めてやるわよ」
前を行く詩音を、間違えて撃ってしまう瑠叶にキレている詩音。
翼「詩音ちゃん、それはゲームの話だよね?」
そんな二人のやりとりを見ている翼。
テレビから、向かって右側の、ダイニングテーブルを背にしたソファーに翼は座っている。
あまりにギラついた視線を一瞬、瑠叶に向けた詩音に、翼は「リアルの話?」と心配になった。
翼(二人が来てくれて良かった……)
(詩音ちゃんと瑠叶君は、今日うちに泊まって行く)
(お母さん達は、私と綾人君に遠慮して、新婚旅行は一泊で帰ってくるらしい。詩音ちゃん達も一泊なら、と来てくれた)
三人は仲良く(?)テーブルを囲んでいる。
が、綾人はムスッとした顔をしながら、リビングで人数分の飲み物を準備していた。
瑠叶からは「炭酸で」とオーダを受けており、プシュッと開けてコップに注いでいく。
注ぎ終わって、ペットポトルを戻そうと冷蔵庫をあけた時、わさびのチューブが視界に入った。
綾人(…………これでも入れてやろうか?)
じっと見つめ考える。
誘惑に負けそうになったが、はぁとため息をついて冷蔵庫をしめた綾人。
そんな綾人のため息が聞こえ、翼はぶるりと震える。
「?」と首を傾げながら、翼は詩音と瑠叶の間で、これ以上空気が悪くならないようにと、応援を送った。
翼「二人とも頑張れっ」
瑠叶「あ」
翼と瑠叶はほぼ同時に声を発した。
翼(え?)
「ヤバイ」と、瑠叶が小さく呟いたのを聞き、翼がテレビに目を向けると、詩音の操作キャラクターが死んでいる。
犯人はまたしても、誤操作で詩音を殺めた瑠叶だ。
詩音「……翼、その応援受け取ったわ」
翼「はい?」
頑張れ、を違う意味に受け取った詩音。
コントローラーをテーブルに置き、ゆらりと立ち上がった。
詩音「──決闘よ、蓮水。表に出なさい」
翼「ししし詩音ちゃん!?」
「死人がでる!」と翼が焦った時、ダンッと大きな音がした。
綾人が少々雑にテーブルへ、飲み物を乗せたお盆を置いた音だ。
ピリッとした空気を感じ取った翼は、「ひぇ」と声が漏れた。
翼(やっぱり綾人君怒ってる?)
(ううっ、心当たりしかない)
(綾人君と二人っきりが怖くて、私が勝手に詩音ちゃんと瑠叶君を呼んじゃったから……だよね)
綾人が次に何を発するのか、気が気ではない翼。しかし、予想に反して綾人はキラキラとした笑顔を浮かべた。
綾人「飲み物、どうぞ」
その声の圧は凄かったが。
目の奥も笑っていない。
瑠叶「わーい、炭酸だ」
空気を読まない瑠叶は、いただきまーす、とコップを手に取り飲む。
詩音も、大人しくソファーに座り飲み始めた。翼もそーっと、コップに手を伸ばした。
綾人は翼の横に座り、コーヒーを一口飲む。
翼(私、生きて明日を迎えられるのかな……?)
ビクビクしながら、その様子を見ていた翼は、心の中でそう思った。
翼(ついに、大型連休がはじまった)
(朝、お父さんとお母さんが新婚旅行に行くのを見送り、現在はお昼過ぎ──)
机を挟んでテレビ正面にあるソファーに、並んで座る瑠叶と詩音。
その手には、コントローラーが握られていた。
二人がプレイしていのは、ゾンビを倒すゲームで協力型らしく、詩音が先陣を切り後ろに瑠叶が続く。
瑠叶「あ。ごめん、間違えて若倉を、撃っちゃった」
詩音「……蓮水、あんた何回目なの。次やったら、その息の根を止めてやるわよ」
前を行く詩音を、間違えて撃ってしまう瑠叶にキレている詩音。
翼「詩音ちゃん、それはゲームの話だよね?」
そんな二人のやりとりを見ている翼。
テレビから、向かって右側の、ダイニングテーブルを背にしたソファーに翼は座っている。
あまりにギラついた視線を一瞬、瑠叶に向けた詩音に、翼は「リアルの話?」と心配になった。
翼(二人が来てくれて良かった……)
(詩音ちゃんと瑠叶君は、今日うちに泊まって行く)
(お母さん達は、私と綾人君に遠慮して、新婚旅行は一泊で帰ってくるらしい。詩音ちゃん達も一泊なら、と来てくれた)
三人は仲良く(?)テーブルを囲んでいる。
が、綾人はムスッとした顔をしながら、リビングで人数分の飲み物を準備していた。
瑠叶からは「炭酸で」とオーダを受けており、プシュッと開けてコップに注いでいく。
注ぎ終わって、ペットポトルを戻そうと冷蔵庫をあけた時、わさびのチューブが視界に入った。
綾人(…………これでも入れてやろうか?)
じっと見つめ考える。
誘惑に負けそうになったが、はぁとため息をついて冷蔵庫をしめた綾人。
そんな綾人のため息が聞こえ、翼はぶるりと震える。
「?」と首を傾げながら、翼は詩音と瑠叶の間で、これ以上空気が悪くならないようにと、応援を送った。
翼「二人とも頑張れっ」
瑠叶「あ」
翼と瑠叶はほぼ同時に声を発した。
翼(え?)
「ヤバイ」と、瑠叶が小さく呟いたのを聞き、翼がテレビに目を向けると、詩音の操作キャラクターが死んでいる。
犯人はまたしても、誤操作で詩音を殺めた瑠叶だ。
詩音「……翼、その応援受け取ったわ」
翼「はい?」
頑張れ、を違う意味に受け取った詩音。
コントローラーをテーブルに置き、ゆらりと立ち上がった。
詩音「──決闘よ、蓮水。表に出なさい」
翼「ししし詩音ちゃん!?」
「死人がでる!」と翼が焦った時、ダンッと大きな音がした。
綾人が少々雑にテーブルへ、飲み物を乗せたお盆を置いた音だ。
ピリッとした空気を感じ取った翼は、「ひぇ」と声が漏れた。
翼(やっぱり綾人君怒ってる?)
(ううっ、心当たりしかない)
(綾人君と二人っきりが怖くて、私が勝手に詩音ちゃんと瑠叶君を呼んじゃったから……だよね)
綾人が次に何を発するのか、気が気ではない翼。しかし、予想に反して綾人はキラキラとした笑顔を浮かべた。
綾人「飲み物、どうぞ」
その声の圧は凄かったが。
目の奥も笑っていない。
瑠叶「わーい、炭酸だ」
空気を読まない瑠叶は、いただきまーす、とコップを手に取り飲む。
詩音も、大人しくソファーに座り飲み始めた。翼もそーっと、コップに手を伸ばした。
綾人は翼の横に座り、コーヒーを一口飲む。
翼(私、生きて明日を迎えられるのかな……?)
ビクビクしながら、その様子を見ていた翼は、心の中でそう思った。