S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
「あぁ。あの日はだいぶ参っている様子で、本当に自分の手術ミスなのかもしれないと言い出すから……手術の記録を一緒に確認したりして」
裕実も災難だが、指導医である柾樹も大変そうだ。
「柾樹さんって面倒見のいいタイプだったんですね。ちょっと意外かも」
「白状すれば……俺だって誕生日は和葉と過ごしたかったよ。けど、外科医は今、深刻ななり手不足だからな。研修医を一人前に育てるのも、円城寺家の人間として大事な仕事だ」
外科や産婦人科など、勤務がハードになりやすい科は医師の間でも敬遠されがちという話は聞いたことがあった。柾樹は外科医としての視点、病院の経営陣としての視点、その両方で物事を見ているのだだろう。
それに――。和葉はクスッと笑ってつけ加えた。
「三浦先生、これを乗りこえたらきっといいお医者さまになりますね」
柾樹が彼を買っていることは、言葉の端々から感じていた。かわいがっているのだろう。
「まぁな。勉強熱心で、患者思い。こんなことで……つぶれてほしくないんだよ」
「大丈夫ですよ。だって、指導医が円城寺柾樹なんですから」
彼が言いそうな台詞を、和葉が代わりに言う。自信満々な和葉の笑顔に柾樹もつられたようにほほ笑む。
「そうだな。けど、誕生日の夜のことは本当に申し訳なかったと思ってる。ごめん」
「いいえ。私も……勝手な思い込みで、おかしな態度を取ったりしてすみませんでした」
裕実も災難だが、指導医である柾樹も大変そうだ。
「柾樹さんって面倒見のいいタイプだったんですね。ちょっと意外かも」
「白状すれば……俺だって誕生日は和葉と過ごしたかったよ。けど、外科医は今、深刻ななり手不足だからな。研修医を一人前に育てるのも、円城寺家の人間として大事な仕事だ」
外科や産婦人科など、勤務がハードになりやすい科は医師の間でも敬遠されがちという話は聞いたことがあった。柾樹は外科医としての視点、病院の経営陣としての視点、その両方で物事を見ているのだだろう。
それに――。和葉はクスッと笑ってつけ加えた。
「三浦先生、これを乗りこえたらきっといいお医者さまになりますね」
柾樹が彼を買っていることは、言葉の端々から感じていた。かわいがっているのだろう。
「まぁな。勉強熱心で、患者思い。こんなことで……つぶれてほしくないんだよ」
「大丈夫ですよ。だって、指導医が円城寺柾樹なんですから」
彼が言いそうな台詞を、和葉が代わりに言う。自信満々な和葉の笑顔に柾樹もつられたようにほほ笑む。
「そうだな。けど、誕生日の夜のことは本当に申し訳なかったと思ってる。ごめん」
「いいえ。私も……勝手な思い込みで、おかしな態度を取ったりしてすみませんでした」