S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
『顔がかっこいい』は学校の女の子たちにもよく言われる。けれど、和葉に言ってもらったのは初めてだった。
「そうだね。初めて会ったとき、お母さんと『王子さまみたいだね』ってびっくりしたよ。でも――」
和葉はじっと柾樹を見つめる。特別にかわいい顔立ちの子というわけではないのだろうけど、柾樹は彼女のキラキラと輝く瞳が好きだった。
「なんだよ?」
「まーくんのかっこいいところはね、なんでも一生懸命がんばるところ。お勉強もすごいし、喘息があって苦しいのにマラソンもがんばってた。あとね……いつも和葉に苺をちょっと多くくれる!」
「ははっ」
柾樹は思わず噴き出してしまった。和葉は苺が大好物だ。つい最近もおなかを壊すほどの量を平らげていた。
「苺はやるよ。その代わり、これからも……さっきのおまじないは和葉がかけてよ」
自分でかけるよりそっちのほうが、効果がありそうに思うからだ。
「わかった。約束ね」
大切な友達、かわいい妹、そして……柾樹の初恋の相手。
そんな彼女とずっと一緒にいられるものと信じていたのに、別れは思っていたよりずっと早く、突然だった。
「和葉っ。なんでだよ。ずっと一緒だと思ってたのに」
松の木の下で、柾樹は和葉の両手を握った。和葉も寂しそうな声で答えた。
「わかんない。イッシンジョウのツゴウってお母さんが……」
「そうだね。初めて会ったとき、お母さんと『王子さまみたいだね』ってびっくりしたよ。でも――」
和葉はじっと柾樹を見つめる。特別にかわいい顔立ちの子というわけではないのだろうけど、柾樹は彼女のキラキラと輝く瞳が好きだった。
「なんだよ?」
「まーくんのかっこいいところはね、なんでも一生懸命がんばるところ。お勉強もすごいし、喘息があって苦しいのにマラソンもがんばってた。あとね……いつも和葉に苺をちょっと多くくれる!」
「ははっ」
柾樹は思わず噴き出してしまった。和葉は苺が大好物だ。つい最近もおなかを壊すほどの量を平らげていた。
「苺はやるよ。その代わり、これからも……さっきのおまじないは和葉がかけてよ」
自分でかけるよりそっちのほうが、効果がありそうに思うからだ。
「わかった。約束ね」
大切な友達、かわいい妹、そして……柾樹の初恋の相手。
そんな彼女とずっと一緒にいられるものと信じていたのに、別れは思っていたよりずっと早く、突然だった。
「和葉っ。なんでだよ。ずっと一緒だと思ってたのに」
松の木の下で、柾樹は和葉の両手を握った。和葉も寂しそうな声で答えた。
「わかんない。イッシンジョウのツゴウってお母さんが……」