S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
「その自覚はあるから言わないようにしたのに、円城寺さんがしつこいから~」

 声をあげて笑う彼に和葉は素直に頭をさげた。

「ごめんさい! おっしゃるとおり、円城寺さんにもあなたの過去の恋人にも失礼でした」
「いや、和葉の言うとおりだ」

 彼はまっすぐに和葉を見つめる。

「金じゃなくて俺を好きにさせると言ったのに、これじゃ円城寺家の財力に頼っているだけだな」

 まっすぐな眼差しがくすぐったくて、和葉はパッと視線をそらす。

「えっと、でも……変わった考え方だなとは思いますけど、円城寺さんが私のためにプランを考えてくれたことは……ありがたいです」
「そうか」

 照れたような彼の笑顔に、和葉の胸は高鳴った。

(そんな顔されると調子狂っちゃうな……)

 和葉は彼からフイに視線を外して言う。

「それに、白状すると高級エステには興味あります。だから、今日は最上級の贅沢を味わわせてください」
「あぁ、期待していいぞ」
 
 極上マッサージで癒やされた身体に、栄養たっぷりのフルーツスムージーが染み渡る。
目の前には美しい碧色をした大きなプール、その先には葉山の海が広がる。

「すごいですね! プールと海に境目がないみたいに見えます」
「あぁ、それがウリだからな」

 たしかに、このプールで泳いでいたらそのまま海に出られると錯覚してしまいそうだ。

「泳ぐか? 水着ならショップで扱ってるそ」
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