S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
柾樹が店内に足を踏み入れると、奥からシェフらしき人物がやってきて彼にあいさつをした。柾樹は彼と談笑し、最後にこうつけ加える。
「大切な女性を連れてきたから、いつも以上にうまい料理を期待しています」
「かしこまりました」
シェフは和葉にも丁寧に頭をさげた。
(大切な女性……)
高級店ではそういう表現がマナーなのだと理解していても、悪い気はしない。無意識に頬が緩むのに気がついて、和葉は慌てて表情を引き締める。
柾樹と向い合わせに腰をおろした。
「まるで海外旅行に来たみたいですね」
「それはうれしい感想だな。『国内にいながら、海外リゾートの気分を味わえる』というのがコンセプトなんだ。だから、海外のほうは逆に和風に作ってある」
「へぇ、そうなんですね。いつか行けたらいいなぁ」
ここがとても素晴らしい施設だったから、純粋に興味が湧いた。今は海外旅行なんて贅沢をする余裕はないが、いつかを夢見るくらいならいいだろう。
具体的に考えていたわけではないので、続く彼の発言には驚いた。
「新婚旅行で行く?」
「えぇ?」
「そんなに驚くことか。結婚するなら、新婚旅行くらい行ってもいいだろう」
(この人、本気で私と結婚する気……なのかな?)
和葉は正直、いまだに半信半疑な気持ちでいた。この豪華なホテルを見たら、ますます現実味が薄れていく。
「大切な女性を連れてきたから、いつも以上にうまい料理を期待しています」
「かしこまりました」
シェフは和葉にも丁寧に頭をさげた。
(大切な女性……)
高級店ではそういう表現がマナーなのだと理解していても、悪い気はしない。無意識に頬が緩むのに気がついて、和葉は慌てて表情を引き締める。
柾樹と向い合わせに腰をおろした。
「まるで海外旅行に来たみたいですね」
「それはうれしい感想だな。『国内にいながら、海外リゾートの気分を味わえる』というのがコンセプトなんだ。だから、海外のほうは逆に和風に作ってある」
「へぇ、そうなんですね。いつか行けたらいいなぁ」
ここがとても素晴らしい施設だったから、純粋に興味が湧いた。今は海外旅行なんて贅沢をする余裕はないが、いつかを夢見るくらいならいいだろう。
具体的に考えていたわけではないので、続く彼の発言には驚いた。
「新婚旅行で行く?」
「えぇ?」
「そんなに驚くことか。結婚するなら、新婚旅行くらい行ってもいいだろう」
(この人、本気で私と結婚する気……なのかな?)
和葉は正直、いまだに半信半疑な気持ちでいた。この豪華なホテルを見たら、ますます現実味が薄れていく。